虫垂炎(盲腸)のよくある質問

虫垂炎

疑問

虫垂炎について質問がある患者「虫垂炎について質問がありますので、教えて下さい。」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

数多くの急性虫垂炎を診てきた外科医の私が、虫垂炎の質問についてわかりやすく答えます。

急性虫垂炎(盲腸)とは?

急性虫垂炎とは、虫垂の内腔が閉塞することで血流やリンパ流が障害され、細菌が増殖し虫垂が腫れる病気で、俗に盲腸と言います。

急性虫垂炎(盲腸)の原因はなんですか?

急性虫垂炎の原因は、虫垂の内腔が閉塞することです。内腔が閉塞するのは、糞石(便の固まり)、リンパ組織の過形成、腫瘍などによって引き起こされると言われています。

急性虫垂炎(盲腸)はどんな症状ですか?

急性虫垂炎の典型的な症状は、食欲低下→心窩部(みぞおち)から臍(へそ)周囲の痛み→悪心(吐き気)・嘔吐→右下腹部に痛みが移動→37度の微熱の順に出現します。

歩いた時にお腹に痛みが響く場合は、腹膜炎を起こしている可能性が高く、速やかに受診することをお勧めします。発症から2日以上経過、38℃以上の発熱、お腹全体が痛む時は、虫垂が穿孔していたり、膿瘍形成していることが疑われます。

急性虫垂炎(盲腸)は何科に受診すればいいですか?

典型的な症状であれば、外科(消化器外科)を受診すれば良いのですが、腹痛の原因は多種多様で自己診断は難しいです。まずは、内科(消化器内科)を受診し、急性虫垂炎が疑われた時点で外科に紹介されるケースがほとんどです。痛みが強い時は、救急車で救急外来に受診されることも多いです。

急性虫垂炎(盲腸)以外の病気の可能性はありますか?

急性虫垂炎と鑑別が必要な病気としては、約1%ですが虫垂腫瘍(癌、カルチノイド、粘液性腫瘍など)の可能性があります。

また、急性腸炎、大腸憩室炎、メッケル憩室炎、炎症性腸疾患、腸管穿孔、大腸がん、尿管結石、産婦人科疾患など様々な病気の可能性があります。​

急性虫垂炎(盲腸)は薬で散らすことができますか?

急性虫垂炎に最も推奨されている治療は迅速な手術です。しかし、穿孔していない虫垂炎は、入院して抗菌薬で散らしても、90%は治すことができるので、抗菌薬で散らすことは大抵可能と言えます。

ただし、抗菌薬で散らした場合は、虫垂が残っているため、再発のリスク(治療後5年以内に約40%)、腫瘍のリスク(約1%)があるので注意が必要です。待機的な予定手術であれば、日帰り手術で虫垂を切除することもできます。

急性虫垂炎(盲腸)における腹腔鏡下手術と開腹手術の違いは?

腹腔鏡下手術の利点は、傷が小さく痛みが軽く、入院期間が短く社会復帰が早く、術後の腸閉塞が少なく、傷の感染が少ない点です。開腹手術の利点は、手術時間が短く、腹腔内膿瘍の発生が少ない点です。

虫垂炎(盲腸)の入院期間はどのくらいか?

病状によって大まかですが、以下のように違ってきます。虫垂炎の分類はこちらをご覧ください。

  • 非穿孔性虫垂炎(通常の虫垂炎)で手術した場合:2泊3日程度
  • 穿孔性虫垂炎による汎発性腹膜炎で手術した場合:約1週間
  • 穿孔性虫垂炎による限局性膿瘍で抗生剤治療などをした場合:1-2週間程度
  • 虫垂炎治癒後に日帰り手術をした場合:手術が終わって約60分後に帰宅可能

虫垂炎(盲腸)は日帰りで手術することができますか?

日本では虫垂炎の日帰り手術は一部の施設に限られています。日帰り手術に特化した病院やクリニックでは、安全に手術が受けられます。

松下公治 写真

松下「急性虫垂炎のよくある質問に答えました。病状や年齢、基礎疾患などによって、個々の治療方針は違ってきますので、主治医とよく相談することが大切です。」

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