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鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り腹腔鏡手術

日帰り手術とは、手術したその日に帰宅できる手術のことです。
日常生活を続けたまま手術を受けられることが大きなメリットで、費用対効果に優れていることもあり欧米では既に一般的です。

鼠径(そけい)ヘルニアの治療は、日本では93.5%が入院手術(日帰り手術はたったの6.5%)で、入院期間は平均4.8日です。
一方、欧米各国では既に日帰り手術が普及していて、20~92%は日帰り手術です。
都内では日帰り手術が18.3%まで増えてきましたが、他の地域ではまだまだ普及しているとは言えない状況です。

当院では鼠径部を切開せずに、小さい傷で腹腔鏡を用いて手術をします。
腹腔鏡手術は傷が小さく、痛みが少なく、社会復帰が早いため、日帰り手術との組み合わせは理想的です。
身体的にも社会的にも負担の少ない低侵襲手術を、日帰りで受けることができます。

日帰り手術のメリット

  • 入院する必要がなく、仕事などの日常生活をそのまま続けられる。
  • 病院に滞在する時間が短かく、人との接触機会が少なく、感染のリスクが低い。
  • 入院分の費用がかからないので、手術費用が安くなる。

日帰り手術のデメリット

  • 日本ではまだ日帰り手術が普及していないため、一部の地域に限られている。
  • 持病や病状によっては、安全に手術するため、入院を勧められることがある。
  • 手術費用が安くなる分、病院の収益は減ってしまう。

鼠径ヘルニア(脱腸)とは?

鼠径ヘルニア(脱腸)とは、鼠径部(足のつけ根)の腹壁(お腹の壁)が裂けて穴があいて、そこから腸がぽっこり出てしまう病気で、俗に脱腸と言います。

鼠径ヘルニアの症状

立つと鼠径部が膨らみ、横になると戻ります。
症状は違和感ぐらいのことが多いですが、痛みを感じることもあります。
重い感じや引きつれたような痛みなど様々で、長時間立っていたり、腹圧がかかると悪化し、横になると楽になります。

鼠径ヘルニアを放置すると、症状が悪化することや、腸が嵌頓(かんとん)することがあるので注意が必要です。

女性の鼠径ヘルニア

女性の鼠径ヘルニアでは、大腿ヘルニアヌック管水腫、子宮内膜症などと関連することもあります。

鼠径ヘルニア(脱腸)の治療方法

鼠径ヘルニアの治療方法は、手術が唯一の方法です。
実際の手術動画はこちら(YouTube)

当院では、保険診療で腹腔鏡による鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り手術を行っており、手術費用は3割負担で約11万円です。
高額療養費制度を使うことで、自己負担を減らすことができます。

鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り手術の流れ

1. 外来に受診

保険証と、持っている方はお薬手帳や紹介状を持参してください。

診察して診断し、病状や治療方法について説明を受けます。
術前検査は採血、心電図、肺機能検査、超音波検査などを行います。
手術当日や手術後のことについて、パンフレットを見ながら説明を受けます。

診察や検査費用は、3割負担で約6,000円です。
ほとんどの方が、手術前の外来受診はこの1回だけです(数回受診が必要になることもあります)。

2. 手術当日の流れ

来院したら、個室で着替えて手術の準備をします。
手術室に移動し、麻酔が始まると意識が無くなり寝てしまいます。

手術が終わり目が覚めたら、ベットのままリカバリー室に移動します。
その後、歩いて個室まで移動し、水を飲み、約2時間後には帰宅できます。
来院してから帰宅までが約4時間です。

3. 帰宅方法

手術後は帰宅するまでの道のりが最も重要です。
家族や友人に迎えに来てもらい、車(本人は運転できません)やタクシーで帰ることをお勧めしています。
公共交通機関で帰宅する場合は、家族や友人の同伴が必須です。

クリニック近隣のホテル

自宅まで1時間以上かかる遠方の方は、クリニック近隣のホテルに1泊宿泊して、翌日自宅に帰ることをお勧めします。
クリニックからできるだけ近い徒歩3分以内のホテルをご案内しています。

4. 帰宅後

日常生活や食事に大きな制限はなく、シャワーや入浴ができますが、車の運転は24時間できません。
仕事は数日余裕を持って休むことをお勧めしていますが、体調や痛みに応じて、翌日から仕事をしても問題ありません。
溶ける糸で傷を縫うので、抜糸は不要です。

手術の翌日と約1週間後に電話で病状を確認し、経過をフォローします。

当院の日帰り手術の様子をマンガで公開!
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当院の鼠径ヘルニア(脱腸)手術(TAPP法)のこだわり

内視鏡外科技術認定医(ヘルニア)である院長松下が執刀します。

鼠径ヘルニアの手術方法は、TAPP法という腹腔鏡手術を行っています。
TAPP法は、鼠径ヘルニアの診断能に優れ、鼠径ヘルニアの多彩な病態に対応できる手術方法で、傷が小さいので、患者さんにとって術後の辛さが少ないのが特徴です。
より質の高い手術を目指して、身体的にも社会的にも負担が少ない低侵襲手術を追究し、日々改良を重ねています。

当院の鼠径ヘルニア手術の特徴

  • 豊富な経験を元に、的確に診断します。
  • 腹腔鏡の3か所の穴を各々5mmと最小限にし、術後の痛みを軽減しています。
  • 局所麻酔薬を使って神経ブロックを行い、術後の痛みを軽減しています。
  • 固定具(タッカー)が不要で固定がズレにくいプログリップメッシュを使用しています。
  • メッシュの固定にタッカーを使用しないことで、術後の痛みを軽減しています。
  • 15cm×10cmの大きなメッシュを体型に合わせてトリミングして敷くことで、しっかりと補強し、再発を減らしています。
  • 層を意識した剥離を行い、正常組織の損傷を減らし、出血はほとんどありません(抗血栓薬は中止していません)。
  • 麻酔による侵襲を軽減するため、使用する薬剤を工夫し、不要な管(尿道の管など)は留置していません。
  • 日帰り手術を行うことで、社会的負担を軽減し、医療の効率化を図っています。
  • 身体への負担を減らすことで、早期社会復帰を目指しています。
  • 腹腔鏡手術が適さないケースでは、鼠径部切開法(リヒテンシュタイン法)を行い、個々の病状に最適な手術を提案します。
  • 日帰り手術が適さない場合は、患者さんの利益を最優先し、入院できる病院に紹介します。

鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り手術と入院手術の違い

受診から退院までの流れに沿って、当院の日帰り手術と一般的な病院の入院手術の違いを比較しました。

日帰り手術(当院)入院手術(一般的な病院)
受診
するまで
事前にネット予約か
電話予約。
電話予約や、
直接受診が可能など様々。
初診日完全予約制。
時間通りに診察。
一般外来と並行して診察。
待つことが多い。
担当医院長が診察。
エコーでその場で診断。
初診担当医が診察。
術前検査検査室で術前検査。各々の検査室を回って、
術前検査。
再診なし。
手術前の受診は基本的に1回。
再診日に、手術の説明や
入院手続きを行う。
手術前の
オリエン
テーション
パンフレットを使って、
手術前や手術後の流れの説明。
外来で入院の説明。
入院後に手術の説明。
入院日手術が始まる約30分前に来院。
個室(無料)で手術の準備。
手術前日に来院。
個室は差額ベット代が必要。
手術個室の隣の手術室に移動。
院長が手術を執刀。
病棟から手術室に移動し、
手術を受ける。
手術後リカバリー室で20分休み、
歩いて個室に戻る。
院長から手術の説明を受ける。
病棟に戻り、2時間ベット上で
酸素マスクやモニターをつけて
安静臥床。
退院手術が終わって1.5〜2時間後に、
家族と帰宅。
手術の2〜3日後に、
家族と帰宅。
手術後の
フォロー
手術翌日、手術7〜10日後に
電話で病状を確認。
必要時は受診。
退院して1〜2週間後に、
外来に受診。

日帰りで鼠径ヘルニア(脱腸)の手術をするのが不安ですが、大丈夫ですか?

多くの一般病院では鼠径ヘルニアの日帰り手術は行っておらず、その仕組みもないので難しいです。
腹腔鏡による日帰り手術の経験が豊富な病院やクリニックで手術することを勧めます。

日帰り手術を安全に行うためには、手術だけでなく、術前・術後のフォローの仕組みが整っていることが大切です。
そうした仕組みが整っていれば、入院と同等の安全な手術が可能です。

当院では安全性を確保するため、様々な工夫を行っています。

最新のガイドラインでも、鼠径ヘルニアの日帰り手術は推奨されています。

日本のガイドライン

日帰り手術は、腹腔鏡手術、リヒテンシュタイン法、プラグ法、クーゲル法、ダイレクトクーゲル法、組織縫合法が適応となる。

国際的なガイドライン

適切なアフターケアがあれば、ほとんどの鼠径ヘルニア患者に日帰り手術は推奨される。通常の鼠径ヘルニアであれば、全ての腹腔鏡手術に対して日帰り手術を提案する。

これまでの研究成果をまとめ、本邦初となる「TAPP法による鼠径ヘルニアの日帰り手術」の医学論文を発表しました。

鼠径ヘルニア(脱腸)の日帰り手術が受けられる近くの病院

鼠径ヘルニアの日帰り手術が受けられる主要な病院(クリニック)を都道府県別に一覧にしました。
ここ数年間で日帰り手術も腹腔鏡手術の割合が増えてきました。

  • 北海道:みやざき外科・ヘルニアクリニック、旭川キュアメディクス
  • 宮城県:むらた日帰り外科手術クリニック、北仙台はせがわクリニック
  • 茨城県:太田医院
  • 埼玉県:埼玉外科クリニック(当院)、大宮セントラルクリニック
  • 東京都:東京外科クリニックALOHA外科クリニック新橋DAYクリニック、執行クリニック、新宿外科クリニック、東京デイサージェリークリニック
  • 神奈川県:横浜みなと外科クリニック、横浜青葉そけいヘルニア・外科クリニック湘南台ふかさわ鼠径ヘルニア大腸肛門外科クリニック
  • 千葉県:太田医院日帰りクリニック柏Kenクリニック
  • 愛知県:いまず外科
  • 京都府:王子クリニック
  • 大阪府:なんば坂本外科クリニック、多根総合病院、大阪日帰り外科そけいヘルニアクリニック
  • 岡山県:Gi外科クリニック
  • 福岡県:勝本外科日帰り手術クリニック、おだクリニック日帰り手術外科

*腹腔鏡手術を主に行っている病院

鼠径ヘルニア(脱腸)のよくある質問

鼠径ヘルニアかどうかはっきりしません。どうしたらいいでしょうか?

鼠径部の症状やその原因となる病気は様々です。典型的な鼠径ヘルニアの症状であれば自己診断も可能ですが、難しいことも多いので、鼠径ヘルニアが疑わしいと感じた時は、遠慮なく受診してご相談ください。

鼠径ヘルニアは症状が軽ければ、放っておいても大丈夫ですか?

鼠径ヘルニアは放っておくと、症状が悪化するリスクと、腸が嵌頓(かんとん)するリスクがあります。腸が嵌頓していなければ緊急性はありませんが、自然には治りませんので、早めに治療することをお勧めします。

鼠径ヘルニアと診断されましたが、まだ症状が軽いので様子をみましょうと言われました。大丈夫でしょうか?

鼠径ヘルニアは嵌頓さえしなければ、緊急性はありません。しかし、自然に治ることはなく、徐々に悪化していきます。悪化してしまう前に、専門医に受診して相談することをお勧めします。

鼠径ヘルニアが自然に治ることはありますか?

成人の鼠径ヘルニアが自然に治ることはありません。手術で穴を塞ぐことが唯一の治療方法です。

鼠径ヘルニアは手術以外の方法で治せますか?

現時点では、鼠径ヘルニアの治療法は手術のみで、それ以外の方法はありません。

手術当日の時間の流れは?手術はどのくらい時間がかかりますか?

もし手術が1番目の場合は、朝8時半頃に来院し、9時に手術室に入ります。麻酔をかけるのに15分、手術は50分、麻酔を覚ますのに15分程度かかります。手術が終わって、10時半頃にはリカバリー室に移動し、その20分後に個室へ歩いて移動します。12時半頃には帰れる予定です。来院してから4時間ぐらいで帰れる目安です。

血をサラサラにする薬を飲んでいますが、日帰り手術はできますか?

血をサラサラにする薬(抗血栓薬)を内服していても、手術は可能です。当院では内服を継続したまま、日帰り手術を行っています。個々の病状によって最適な治療方法を検討しますので、ご相談ください。

ヘルニアベルトで治すことはできますか?

ヘルニアベルト(バンド)は、医学的には有効性が証明されておらず、治すことはできません。民間療法の一つで、医療現場では使われていません。患部を圧迫することで、内臓に悪影響を及ぼす可能性があるので、お勧めしません。

鼠径ヘルニアの手術後に運動制限はありますか?

日常生活の範囲で行う動作は、手術翌日から制限はありません。激しい運動、強い腹圧がかかる運動は、再発予防のため、1週間控えることをお勧めしています。

鼠径ヘルニアの診療ガイドラインはありますか?

日本のガイドラインは、鼠径部ヘルニア診療ガイドライン2015(フリー)です。国際的なガイドラインは、International guidelines for groin hernia management 2018(フリー、英語)です。

その他のよくある質問

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JR大宮駅西口より徒歩3分

車でお越しの方
近くのコインパーキング(有料)をご利用ください
クリニック契約の駐車場はありません

埼玉外科クリニック
〒330-0854
埼玉県さいたま市大宮区桜木町1-268エイコービル3階
048-650-2555

受付:8:30〜17:00【完全予約制】
定休日:水曜・日曜・祝日

受付開始
午前
8:30〜
手術
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手術
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手術
午後
13:45〜
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