腹痛

胆石とはどんな病気ですか?

質問者
「胆石(胆嚢結石症)とはどんな病気ですか?」
ヘルニア外科医 松下
「胆石は症状のないことが多いものの、様々な病気を引き起こすので、注意が必要です。外科医の私が、胆石の疑問に答えます。」

胆石(胆嚢結石症)とは?

石

胆石とは、胆嚢内にできた結石(石)のことです。砂のような結石から、数cmの結石まで様々です。

50〜60歳代や女性、肥満の人に多い病気です。

検診で症状のない胆石の人が数%発見されます。

無症状の胆石は90%以上が無症状のままですので、経過観察が勧められます。

胆石は胆石発作を引き起こすことがあり、脂っこいものを食べた後に、右上腹部痛(右季肋部痛)やみぞおちの痛み(心窩部痛)があります。

このような症状がある場合は手術が勧められます。

胆嚢とは何ですか?

胆嚢(たんのう)とは、右上腹部にある臓器で、胆汁を貯めておき、食物の刺激で収縮して胆汁という消化液を分泌しています。

胆汁は肝臓で作られ、胆管を通り十二指腸に分泌され、脂肪を消化します。

胆管の途中に胆嚢があり、胆汁を濃縮貯蔵しておくための袋の役割をしています。

急性胆嚢炎とは?

急性胆嚢炎とは、胆石などが原因で胆嚢に胆汁がうっ滞し、細菌感染を起こす病気です。

90%以上は胆石が原因で、50〜60歳代や女性、肥満の人に多い病気です。

脂っこいものを食べた後に、右上腹部痛(右季肋部痛)やみぞおちの痛み(心窩部痛)が出現し、発熱、悪心(吐き気)、嘔吐、食欲不振なども伴います。

慢性胆嚢炎とは?

慢性胆嚢炎とは、胆嚢炎を繰り返した状態で、胆嚢粘膜の萎縮や胆嚢壁の線維化がみられます。繰り返すため、基本的に手術します。

胆石に対する腹腔鏡手術による治療

手術の適応がある場合は、手術で胆嚢を摘出します。

腹腔鏡手術開腹手術がありますが、現在では腹腔鏡手術を選択されることがほとんどで、本邦ガイドラインでも推奨されています。

腹腔鏡手術は、全身麻酔下にお腹に4ヶ所穴を開け、腹腔鏡という5mmのスコープを用いて胆嚢を摘出します。

開腹手術に比べると、傷が小さく、回復が早いのが利点です。

胆嚢を体外に取り出すため、臍の傷は2cm程度に広がりますが、少しでも広がらない工夫をしています。

炎症が高度の場合は、途中で開腹手術に移行することがあります。

手術時間は約1時間で、一般的には翌日から食事を開始し、術後2日目以降に退院します。

退院後は日常生活に制限はありませんが、脂っこいものはしばらく控えた方がいいです。吸収糸で縫いますので、抜糸は不要です。

腹腔鏡手術と開腹手術の比較

腹腔鏡手術開腹手術
傷口5mmの傷が3ヶ所と臍の傷約10cmの大きな傷
痛み軽い痛い
手術時間約1時間約1時間
体への負担小さい大きい
術後の癒着少ないやや多い
入院期間約4日約8日
退院後の復帰早い遅い

胆嚢を手術で取っても大丈夫ですか?

胆嚢は胆汁を濃縮貯蔵しておくための臓器です。

胆嚢を摘出しても、胆汁は今まで通りに分泌されますので、ほとんど影響はありません。

手術直後は脂っこいものを食べると軟便や下痢をする人がいますので、少し控えめにした方がいいです。

傷が目立ちにくい手術はありますか?

単孔式腹腔鏡手術といって傷が臍の1ヶ所のみで行う腹腔鏡手術もあり、傷がほとんどわからないように手術することも可能です。

更に2-3mmの細径鉗子を併用することで、臍の傷を小さくできるので、従来の単孔式腹腔鏡手術よりも痛みを軽くすることができます。

胆嚢摘出術の合併症は?

術中合併症として、胆管損傷、出血、他臓器損傷などがあります。

術後合併症として、後出血、胆汁漏、創感染、肩痛、皮下気腫などがあります。

胆石のガイドライン

胆石症ガイドライン2016(南江堂)が日本消化器病学会から出版されています(2021年版が出版されましたが、まだ無料公開されていません)。

» 胆石症ガイドライン2016

まとめ:胆嚢を摘出する手術は、腹腔鏡手術が推奨されています。

・ 胆石とは、胆嚢内にできた結石(石)のことです。
・ 無症状の胆石は経過観察しますが、有症状の胆石は手術します。

 

ヘルニア外科医 松下
「胆石でまず知ってほしいポイントをお話ししました。病状や年齢、基礎疾患などによって、個々の治療方針は違ってきますので、主治医とよく相談することが大切です。」
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