【5分でわかる】大腸がん(結腸がん・直腸がん)になったら、まず知っておきたいこと

5分でわかる病気のこと

質問

大腸がんになった患者「大腸がんになってしまいましたが、まず知っておいた方がいいことは何ですか?」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

大腸がんはがんの中では頻度が高いものの、予後は比較的良い病気です。
大腸がんになってしまった患者さんが、まず知っておいた方がいいことを、5分程度でわかるように簡潔に説明します。

大腸がんの診療に日々携わっている私が、「大腸がんとは何ですか?」という疑問に答えます。

大腸がん(結腸がん・直腸がん)とは?

机

大腸がんとは、大腸(結腸や直腸)に発生するがんのことで、50歳以上に多くみられる病気です。大腸の内側(粘膜)から大腸がんは発生し、徐々に進行していきます。

結腸とは小腸に続く約1.5mの管状の臓器です。主に水分を吸収して固形の便にする役割をしています。そして、直腸、肛門へと続き、便が排出されます。年間約15万人が大腸がんと診断され、年々増加傾向です。

大腸がん(結腸がん・直腸がん)ってどんな症状?

ペーパー

初期症状はありません進行すると便秘、下痢、血便、腹痛、体重減少、便が細くなるなどの症状が出ることがあります。また、大腸がん検診の便潜血検査で陽性となり、大腸内視鏡検査を受けてがんが見つかることもあります。

大腸がん(結腸がん・直腸がん)はどんな検査をするの?

カフェ

まずは、大腸内視鏡検査を行います。がんが疑われる病変が見つかると、生検(組織を採取)し、顕微鏡検査でがん細胞があるかどうか確認します。大腸がんと診断されると、この時点で外科に紹介されることが多いです。

がんの広がりを確認するため、造影CT検査、腹部超音波検査などを行います。がんの部位や深さを調べるためには、注腸検査を行います。また、手術リスクの評価のため、採血、心電図、心臓超音波検査、肺機能検査などを行います。検査の結果でがんのステージ(進行度)を予測し、治療方針を立てます。

大腸がん(結腸がん・直腸がん)の治療法は?

手術

大腸癌治療ガイドラインに基づく治療方針

  • ステージ0〜1の一部:表面の浅い部分にがんが限局している状態。大腸内視鏡で切除する。
  • ステージ1の一部〜ステージ2:腸の深い部分までがんが浸潤している状態。手術で切除する。
  • ステージ3:リンパ節転移を伴う状態。手術で切除する。
  • ステージ4:遠隔転移(主に肝臓や肺、腹膜播種など)を伴う状態。手術で切除または化学療法(抗がん剤治療)、対症療法(緩和ケア)を行う。

多くの場合、手術で切除する方針になります。手術は基本的には腫瘍から10cm離して腸を切り、所属リンパ節を郭清します。切った腸は自動吻合器という器械でつなぎ合わせます。ほとんどの場合で腹腔鏡下手術が可能ですが、腹腔内に高度な癒着がある場合、がんが非常に大きい場合、他臓器への浸潤がある場合は開腹手術を選択することもあります。直腸がんではロボット支援下手術も選択肢になります。

手術の翌日には自由に歩くことができ、飲水が可能になります。手術の翌日か翌々日には食事が再開します。術後1週間ぐらいで退院となります。

大腸がん(結腸がん・直腸がん)の術後フォロー

家族

がんは手術後のフォローが大切です。退院して1〜2週間後に外来受診します。退院後の体調は問題ないか、傷口は問題ないかを確認し、切除したがんの病理(顕微鏡)検査結果を伝えます。そこでステージが最終決定し、大まかに以下の治療方針となります。

ステージ別の術後治療方針

  • ステージ0〜2:3ヶ月毎に経過観察し、再発がないか確認します。
  • ステージ3:術後補助化学療法(抗がん剤治療)が推奨されています。
  • ステージ4:病状に合わせて化学療法(抗がん剤治療)や対症療法(緩和ケア)などを行います。

5年間フォローし再発がなければ、根治(治癒)と判断し通院は終了となります。しかし、手術でがんを全て取りきっても一定の確率で再発が起こります。大腸がんの5年生存率は、ステージ0が約94%、ステージ1が約92%、ステージ2が約85%、ステージ3aが約78%、ステージ3bが約60%、ステージ4が約19%です。再発には、リンパ節転移、肝転移、肺転移、腹膜播種、吻合部再発、局所再発などがあり、CT検査や内視鏡などで再発がないか定期的に確認します。

大腸がんのガイドライン

大腸癌治療ガイドライン医師用2019年版(金原出版)が大腸癌研究会より出版されています。個々の治療方法は病状によって異なることもありますが、基本的にはガイドラインに沿って治療を行います。これは医師向けに書かれている専門的な内容なので、以下の一般(患者)向けの冊子の方がわかりやすくてお勧めです。
» 大腸癌治療ガイドライン医師用2019年版はこちら

一般(患者)向けの冊子

国立がん研究センターから「大腸がん」や、キャンサーネットジャパンから「もっと知ってほしい大腸がんのこと」をダウンロードできます。本やネットで調べるよりもわかりやすく、正確で必要十分な情報なので、お勧めです。
» 国立がん研究センター「大腸がん」はこちら
» キャンサーネットジャパン「もっと知ってほしい大腸がんのこと」はこちら

まとめ:大腸がんの主な治療は手術で、必要に応じて化学療法を行います。

この記事のポイントをまとめます。

  • 大腸がんとは、大腸(結腸や直腸)に発生するがんのことです。
  • 初期症状はありませんが、進行すると便秘、下痢、血便、腹痛、体重減少、便が細くなるなどの症状が出ることがあります。
松下公治 写真

松下「大腸がんでまず知ってほしいポイントをお話ししました。病状や年齢、基礎疾患などによって、個々の治療方針は違ってきますので、主治医とよく相談することが大切です。」

【5分でわかる】病気になったら、まず知っておきたいことのコンテンツ