虫垂炎(盲腸)の腹腔鏡による日帰り手術の手順は?【手術動画付き】

虫垂炎

質問

虫垂炎の日帰り手術を受ける患者「日帰りで虫垂炎の手術を受けようと思いますが、どんな手順で、どんな手術をするのですか?」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

手術を決断しても、慣れない手術に不安も大きいと思います。

虫垂炎の日帰り手術を数多く経験してきた私が、少しでも見通しが立つように、具体的に手順を解説します。

虫垂炎(盲腸)の日帰り手術の手順は?

受付
  1. 外来に受診する前の準備
  2. 外来に受診する
  3. 手術当日の流れ
  4. 帰宅後

1. 外来に受診する前の準備

既に虫垂炎と診断されている時は、可能であれば紹介状や撮影した画像を持参すると病状が伝わりやすいです。紹介状は診断された病院やクリニックに依頼すると書いてくれます。

お薬手帳を持っている場合は持参します。受診した時に手術日程を決められるように、1ヶ月程度の予定を確認しておきます。

2. 外来に受診する

診察で聞かれることは、「いつ虫垂炎を発症し、どんな治療をしたのか。治療中の病気やこれまでの手術歴。内服している薬の名前。アレルギーの有無など。」です。

診察後に、病状や治療方法について説明を受けます。術前検査は採血、心電図、肺機能検査、CT検査などを必要に応じて行います。

日帰り手術では手術を受ける患者、家族の理解が大切です。手術当日やその後のフォローについて、パンフレットを用いて詳しく説明があります。

3. 手術当日の流れ

入室30分前に来院し、手術の準備をします。手術室に移動し、麻酔がかかってしまえば意識は全くありません。

手術が終わり麻酔が覚めたら、回復室に移動します。術後は10分後に軽食を摂って歩きはじめ、1時間後に帰宅します。在院時間は計3時間程度です。

4. 帰宅後

日常生活に大きな制限はなく、シャワーや入浴ができます。溶ける糸で傷を縫うので、抜糸は不要です。手術の翌日に電話で病状経過を伝え、疑問や困ったことがあれば相談します。

実際の受診から手術までの流れが、わかりやすくマンガになりました。

» 「マンガでわかる 虫垂炎(盲腸)は日帰り手術で治る」はこちら

虫垂炎(盲腸)の日帰り手術の動画

この動画は、急性虫垂炎を抗菌薬で散らし、その後に日帰り手術を行った手術動画です。手術時間は27分、術後1時間弱で帰宅しました。腹腔鏡を用いて虫垂を切除する様子を御覧ください。

手術動画ですので、苦手な方は閲覧にご注意ください。

この手術のポイント

  • 5mmの傷3ヶ所のみで行いました(通常は12mmの傷で行います)。傷を小さくすることで、痛みが少なく、日帰り手術には最適です。
  • 5mmの腹腔鏡、5mmの鉗子を使っています。
  • 手術の手順:血管が走っている黄色い虫垂間膜を切り、虫垂根部(根元)を露出します。虫垂根部を糸で縛り、虫垂を切って取り出します。

どんな虫垂炎(盲腸)でも日帰り手術が可能か?

家族

残念ながら全ての虫垂炎ではありません。現在も腹痛が続いている急性虫垂炎に対しては、日帰り手術を行っていません。入院して手術や抗菌薬による治療が必要です。欧米ではこうしたケースに対しても日帰り手術が安全に行われており、今後の課題です。

 急性虫垂炎は術前検査である程度、病状を把握することができるものの、術中所見で虫垂穿孔(穴が開いている)が判明することもあります。穿孔していると術後に腸が麻痺してしまい、食事がなかなか摂れず、点滴治療が必要になることがあります。術前に日帰り手術が可能と判断することが難しいため、入院設備のある病院で行うことが望ましいと考えます。

日帰り手術が最適な虫垂炎は、どんな虫垂炎か?

日帰り手術が最適な虫垂炎は、急性虫垂炎を抗菌薬で散らした後に、再発予防のために虫垂を切除するケースです。一旦炎症が治まってしまうと、虫垂の腫れは軽度で、手術も短時間で終わり、体の負担も少ないため、日帰り手術が可能です。

まとめ:虫垂炎の日帰り手術の手順を解説しました。

この記事のポイントをまとめます。

  • 虫垂炎の日帰り手術は、術後1時間程度で帰宅できます。
  • 手術は腹腔鏡で行い、虫垂を根部で切り、体外に取り出します。
  • 抗菌薬で散らした後の再発予防の虫垂切除は、日帰り手術も可能です。
松下公治 写真

松下「待機的な虫垂炎手術では、腹腔鏡による日帰り手術も可能です。病状や年齢、基礎疾患などによって、個々の治療方針は違ってきますので、主治医とよく相談することが大切です。」

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