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外科医とは?外科医になるには?外科とは?

外科医とは?

外科医とは病気を手術で治す医師のことです。
それに対して、内科医は病気を薬や内視鏡などで治す医師のことです。

外科は消化器外科、脳神経外科、心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科のように、細かく分かれています。
消化器外科のことを外科(一般外科)と呼んでいることも多いです。

では、外科医はどんな仕事をしているのでしょう?
外科(消化器外科)とは消化器疾患の外科手術を専門とする診療科のことで、一言で言えば、お腹の手術を得意とする科です。

外科治療の対象となる病気は、鼠径ヘルニア、虫垂炎、胆石胆のう炎、痔核などの良性疾患や、大腸がん、直腸がん、胃がんなどの消化器がん(悪性腫瘍)、腸閉塞、消化管穿孔などの腹部救急疾患です。

仕事の内容は、手術がメインですが、他にも外来診療、病棟回診、処置、内視鏡検査、救急診療、若手医師の教育、カンファレンス(症例検討など)、書類や病歴要約の作成、学会発表、論文執筆など様々な仕事があります。

外科医の職業としての魅力は何ですか?

外科医となり、今まで続けてきた一番の理由は、なんと言っても手術が楽しいからです。

手術をしていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
いくら手術をしても、人体の構造や病気は個々に違っていて、そこから学ぶことは無限に広がっています。
手術を繰り返すことで、技術の向上が目に見えて表れ、自分の成長を実感できます。

外科手術は日々進歩し、開腹手術だけでなく、今では腹腔鏡手術やロボット手術も行われるようになりました。
まるで自分がお腹の中に入っているような感覚で手術することができ、その鮮明な映像には感動します。

手術の進歩は留まることを知らず、一生を賭けても、興味が尽きることは決してありません

外科医の仕事は大変ですか?

医師数は増えているにも関わらず、実は外科医の数が少しずつ減っています。

その理由として、時間外勤務が多いなどの過重労働の問題や、責任が重くリスクの高い仕事が多いことなどが一因と言われています。
人の命を預かって手術をしますので、緊張しますし、プレッシャーがあるのも事実です。
そうしたことを考えると、大変な一面もあるかもしれません。

しかし、責任がある仕事をできる充実感もあります。
手術をした患者さんが元気に退院し、そして患者さんやその家族に喜ばれることがあれば、これほど嬉しいことはありません。
大変だったことは忘れてしまい、次の仕事の糧になります。

外科医に向いているのはどんな人ですか?

外科医は職人的な側面がありますので、手術などの技術を追究したい人に向いているかもしれません。
メンタル・向上心・探究心が強い方がいいと思います。
外科医として一人前になるには、学生時代も含めると20年以上かかりますので、自分の成長を楽しめる人の方がいいかもしれません。
また、患者さん、家族と密接に関わるので、コミュニケーション能力が高いことも重要です。
チームのリーダーシップの役割を担うことも多いです。

最初からこうした能力を持っている人ばかりではないので、仕事をしながら身につけてもいいと思います。

外科医の待遇・給料・年収

医師の平均年収は1,440万円で、日本で勤務医として働く場合、診療科が違ってもほとんど同じで、年功序列です。
ただし、働く病院によってその基準は違い、人気が高い病院・地域ほど給料は低く、そのため、都内の大病院ほど給料が低い傾向があります。

通常は週5日勤務、週休2日で、更に当直という夜勤が週1回程度、緊急手術のオンコール(待機)が週1回程度あります。
外科の仕事は、定時で終わらないこともあり、夜間や土日に緊急手術となることもあります。
仕事の3Kである、きつい、汚い、危険のどれもが当てはまります。
勤務条件や実際の勤務状況は病院によって異なり、急性期病院ほど忙しくなります。

外科医になるには?

外科医になるには、大学医学部の入試に合格し、大学で6年間学び、医師免許を取得する必要があります。

医師になってからは、2年間の臨床研修を受けた後、3年間修練して外科専門医の資格を取得します。
外科医として一人前になるため、その後も経験を積み重ねる必要があります。

  1. 高校
  2. 大学医学部 6年間
  3. 医師国家試験 合格すると医師免許証を取得
  4. 臨床研修 2年間
  5. 外科専門医の研修 3年間
  6. サブスペシャリティに分かれて修練を重ねる – 消化器外科専門医
  7. 更に専門分野を極める – 内視鏡外科技術認定医

1. 高校

高校を卒業するまでは、他の職業と変わりません。

医師になるためには、大学医学部の入学試験に合格するのが必須条件です。
受験に必要な科目数が多く、小論文や面接が課されることも多いです。

2. 大学医学部

6年間大学に通い、一般教養・基礎医学・臨床医学などの座学を学び、臨床実習(病院での実習)を行います。

医学部はほとんどの単位が必須ですので、単位が取れないと留年します。
基礎医学の解剖学で人体解剖の講義が始まると、医学部らしい授業になります。
基礎医学までを修了したら、ようやく臨床医学が始まり、病気の診断や治療について学びます。

座学が修了したら、ベットサイドでの臨床実習が始まります。
大学医学部を卒業すると、医師国家試験の受験資格を取得できます。

医学部のカリキュラム例

【一般教養】
英語、独語、仏語、ラテン語、医療統計学、医療情報学、医療社会史、有機化学、細胞生物学、発生学、実験動物学、社会学、臨床倫理学など
【基礎医学】
解剖学、組織学、生化学、生理学、病理学、免疫学、薬理学、微生物学、寄生虫学、公衆衛生学、法医学など
【臨床医学】
内科学(循環器・消化器・呼吸器・腎臓・神経・内分泌・代謝・血液・感染症・膠原病)、外科学、小児科学、産婦人科学、精神医学、整形外科学、皮膚科学、泌尿器科学、眼科学、耳鼻咽喉科学、放射線医学、麻酔学、脳神経外科学、リハビリテーション医学、東洋医学、歯科口腔外科学、老年医学、救急医学、地域医療学など

3. 医師国家試験

大学6年生の冬に医師国家試験を受験します。

必死に勉強しないと合格点を取るのは難しく、不合格だと1年間浪人します。
合格率は毎年90%程度で、2021年度は91.4%でした。

合格すると医師免許証を取得し、医師となります。

4. 臨床研修

医師として2年間の臨床研修を受けます。この時期は研修医と呼ばれ、給与をもらい働きながら学びます。

全ての医師は、内科や外科、救急など様々な診療科で研修し、医師としての基礎的な知識、技術を身につけます。
医師として診療に従事するためには、臨床研修を修了することが必須です。

5. 外科専門医の修練

外科専門医になるためには、その後3年間の修練を行います。

ここから外科医としての修練が始まり、難易度の低い手術から執刀します。
研修プログラム修了後に、外科専門医試験を受けて合格すると、外科専門医を取得できます。

外科専門医を取得すると、外科医としての基礎が身についたと言えます。

6. 専門分野に分かれて修練を重ねる – 消化器外科専門医

外科専門医を取得しても、まだまだ未熟な部分があるので、働きながら、更に経験を積んでいきます。

外科医の場合は、消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科、乳腺外科、内分泌外科といった専門分野に分かれます。
消化器なら、消化器外科専門医の取得を目指して修練を重ね、少しずつ難度の高い手術を執刀します。

消化器外科専門医を取得すると、外科医として一人前と言えます。

7. 更に専門分野を極める – 内視鏡外科技術認定医

消化器外科専門医を取得した後は、指導医としての力量が求められるようになります。
更に専門分野を極める一つとして、内視鏡外科技術認定医の取得があります。

内視鏡外科技術認定医とは、内視鏡外科手術(腹腔鏡手術)を安全かつ適切に施行する技術があり、かつ指導する技量があることを認定する資格制度です。
手術の実績、学術的な業績に加え、手術動画も審査されます。
それだけに最難関の資格で、経験豊富な外科医が挑んでいるにも関わらず、合格率は25%程度です。

内視鏡外科技術認定医を取得すると、内視鏡外科手術の指導医として一人前と言えます。
その後は学会評議員として学術的に活躍したり、病院で中心的な役割を担ったり様々です。

日本の医師や専門医の人数

  • 医師:339,623名(2020年12月現在)
  • 外科専門医:24,342名(2022年1月現在)
  • 消化器外科専門医:8,547名(2022年1月現在)
  • 内視鏡外科技術認定医:消化器外科2,660名、ヘルニア117名(2022年1月現在)

キャリアガーデンに外科医の職業紹介の記事が掲載されました

キャリアガーデンより執筆依頼があり、2本の記事を執筆しました。
学生向けに書いた記事ですが、よろしければご覧ください。

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松下 公治

松下 公治

この記事は院長松下が執筆しました。鼠径ヘルニア・虫垂炎の【日帰り】腹腔鏡手術を専門に研究。外科専門医、消化器外科専門医・指導医、内視鏡外科技術認定医(ヘルニア)。

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