考え

事実と意見の違い【混同して誤解していませんか?】

質問者
「最近の報道を見ていると、何が本当なのかわからなくなりますが、どうしたら良いのでしょうか?」
外科医 松下
「私も最近、気になっていましたので、その疑問に答えます。」

なぜ、何が本当なのかわからなくなるのか?

新聞
何が本当なのかわからなくなる原因は、事実と意見を混同しているためです。

  • 事実:現実に起こり、または存在する事柄。本当のこと。
  • 意見:ある事についてもっている考え。

例えば、「新型コロナウイルス感染症の予防にマスクが有用だからするべき」という文章で考えてみます。この文章を読んでも、「新型コロナウイルス感染症の予防にマスクが有用」というのは、専門家でなければ、事実なのか意見なのか判断することが難しいです。そもそも、感染者がマスクをすることで周りに感染を広げない予防効果と、感染していない人が感染者と接した時に感染を予防する効果は各々違います。

この文章は全て意見かもしれませんし、「新型コロナウイルス感染症の予防にマスクが有用」という事実に基づいて、「マスクをするべき」と意見を述べているのかもしれません。どちらなのか、判断に迷います。

つまり、この文章は、何が事実で何が意見なのかが、はっきりしません。あたかも意見が事実のように話されると、誤解を生じてしまいます。聞く人に正しい判断力があれば、意見だと区別できるかもしれませんが、なかなか難しいものです。

事実と意見を区別することが大切

自分自身が書いたり話したりする時だけでなく、他人の話を読んだり聞く時も、事実と意見を区別することが大切です。

論文を執筆する時には、事実と意見を明確に区別する必要があります。たとえ論文でなくても、混同した文章は非常にわかりづらいです。意見を述べる時には、根拠となる事実が重要です。

外科医という仕事柄、患者さんやご家族に病状の説明をする機会が多いです。そうした時には、事実としてわかっていることと、外科医としての意見は分けて説明するようにしています。意見もとても重要ですが、それは主観的なものであり、事実ではありません。

というのも、こうして気になったのは、新型コロナウイルス感染症の報道がきっかけです。わかっていることまだわからないこと個々の意見が入り混じっています。誤解と混乱が生じているのは、事実と意見が混同して報道されていることが原因です。

事実を得る方法は?

事実を得る方法は、元となる情報源を探し出し、その内容を把握する必要があります。元となる情報源で何が述べられているかが重要です。

例えば医療においては、医学論文が一次情報です。その論文において何が結果で、何が結論かを読みます。ここで気をつける必要があるのは、結果は客観的な事実だとしても、結論には解釈に基づく意見が含まれていることです。一次情報に触れることで、何が事実で何が意見なのかが見えてきます。

二次情報以降の情報には、多かれ少なかれ情報をまとめた人の意図が影響しています。

まとめ:事実と意見を区別することが大切です。

・ 根拠となる事実に基づいて、意見が述べられているかを確認しましょう。
・ わかっていること、まだわからないこと、個々の意見を区別することが大切です。

 

外科医 松下
「事実と意見を区別する意識を持つことで、何が本当なのかわかってきます。」