外科外来に受診してから手術までの流れ

医療の雑学

疑問

外科外来に受診する患者「外科外来に受診しようと思いますが、手術は初めてです。どんな手順で進みますか?」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

内科や小児科と違い、普段、外科に受診することはあまりありません。
手術については、初めての方も多いと思います。

外科診療に日々携わっている私が、「外科外来に受診してから手術までの流れはどんな手順か?」という疑問に答えます。

受診から手術までの流れ

メガネ

手術と聞くと、どんなことをするのか不安に感じると思います。疾患や病状によって異なりますが、一般的な流れを説明します。

  1. 受診するまでの経緯
  2. 術前の検査
  3. 手術の説明
  4. 入院してから
  5. 手術室では
  6. 手術後
  7. 退院後の外来

1. 受診するまでの経緯

3つの代表的な外科外来に受診するまでの経緯

  1. 検診で異常があり紹介受診する
  2. 内科外来や救急外来から紹介受診する
  3. 外科外来に直接受診する

1. 検診で異常があり紹介受診する
検診で異常が見つかると、かかりつけのクリニックや内科などで血液検査や超音波検査、CT検査、内視鏡検査などを受けます。そして手術が必要な病気が見つかると、外科に紹介され受診します。

2. 内科外来や救急外来から紹介受診する
腹痛などの症状で内科外来や救急外来に受診し、検査したところ手術が必要と診断され、外科に紹介され受診します。

3. 外科外来に直接受診する
鼠径部膨隆などの症状があり、鼠径ヘルニアと自己診断し、直接受診します。

2. 術前の検査

まずは手術の必要性を判断し、必要だと判断されたら術前検査を行います。術前検査は目的によって、大きく2種類あります。

  1. 疾患に対する検査
  2. 手術リスクを確認するための検査

1. 疾患に対する検査
病状を把握し、病気の診断するための検査です。癌であれば転移がないかどうか、どこまで浸潤しているかどうかなどをみます。CT検査、MRI検査、内視鏡検査、腹部超音波検査などを必要に応じて行います。

2. 手術リスクを確認するための検査
心臓や肺、腎臓などに問題ないか確認し、手術・麻酔に耐えうる身体かどうか、リスクはないか、リスクがあった場合に何を準備すればリスクを下げられるかを確認します。必須の検査は血液検査、尿検査、心電図、レントゲン、肺機能検査です。更に必要あれば、心臓超音波検査、ホルター心電図、心臓カテーテル検査なども行います。

3. 手術の説明

術前検査が終わったら、その結果と病状を話します。治療方法を提示し、手術が必要な場合は手術の内容やリスク、合併症なども話します。手術することが決定したら、手術日を決め、入院予約をします。看護師より入院の説明があります。

4. 入院してから

多くの場合、手術前日か当日に入院します。飲水や食事は手術や麻酔方法によって指示が変わります。常用薬は内容を確認の上、どれを飲むか指示があります。看護師より指輪などのアクセサリーをはずすことや、入れ歯やコンタクトレンズをはずすことなどの説明があります。点滴を開始し、手術着に着替えて手術室に向かいます。

5. 手術室では

手術室に入ると、まず名前や生年月日、どんな手術をするのか、左右どちらかなど聞かれます。手術台に横になり、心電図などのモニターをつけます。準備が整えば麻酔が始まります。麻酔方法にもよりますが、全身麻酔であれば点滴を開始して10秒もしないうちに寝てしまいます。大酒飲みでも麻酔が効かなくて寝られないことはありません。麻酔専門医が手術中は絶えず全身管理をしていますので、途中で麻酔が覚めてしまうこともありませんので安心してください。麻酔がしっかりかかると自発呼吸がなくなるので、のどに管を入れて、人工呼吸器で呼吸を管理します。

麻酔がかかると手術の準備を始めます。皮膚を消毒した後、スタッフは手洗いをして滅菌された手袋やガウンを着ます。機器類を準備し、手術前の最終確認(患者氏名、術式など)をして、手術が始まります。手術が終わると、ガーゼなどの異物の置き忘れがないかどうか、レントゲンを撮り確認します。全ての使った機器は使用前後で数を数えており、ガーゼも1枚1枚確認しており、体内に置き忘れがないように何度も確認します。問題なければ麻酔を覚まし、目が覚めます。家族が呼ばれ、手術の結果が説明されます。

6. 手術後

病棟に帰ると、しばらくは酸素マスクをつけ、心電図などのモニターをつけて管理します。大抵の手術では、翌朝に採血を確認し、飲水を開始し、院内自由に動けるようになります。昼より食事を開始します。

以前、術後は絶対安静にしていることが常識でしたが、今では、絶食よりは食べた方が回復が早い、寝ているよりは歩いたりして動いた方が回復が早い、ずっと寝ていると血栓ができて詰まったり(深部静脈血栓症)、肺が潰れたり(無気肺)、足腰が立たなくなってしまうことが分かっています。そのため、病状にもよりますが、早めに食べ始めたり歩くようになってきています。

​7. 退院後の外来

1,2週間後の外科外来に受診します。傷口を確認し、自宅での生活に問題がないかどうか確認します。病理検査を提出していた場合は、その結果を説明します。良性疾患の場合は外来通院が終わりになることが多いです。がんの場合は完治していても5年は受診し(3ヶ月から半年に1度)、再発がないかどうかチェックを行います。

まとめ:手順はその都度説明してくれますので、安心して受診してください。

この記事のポイントをまとめます。

  • 手術前の検査では、疾患に対する検査だけでなく、手術リスクを確認するための検査も行います。
松下公治 写真

松下「手術までの大まかな流れを説明しました。わからないことがあれば、その都度質問して確認することが大切です。」

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