コロナワクチン

医療の進歩で外科医が最近驚いていること【ベスト3】

質問者
「医療の進歩で最近驚いていることはありますか?」
外科医 松下
「日常生活なら、スマホの普及です。iモード全盛期に、今の状況を予想できませんでした。では、外科医として最近驚いていることベスト3を発表します。」

3位:ピロリ菌を除菌することで胃がんが減ったこと

胃がんの患者さんが年々減っていることを実感しています。それは他の病院の外科医からも、同じ話しを聞きますし、統計結果からも明らかです。

胃に潜んでいたピロリ菌が1982年に発見され、胃がんの原因となることがわかりました。ピロリ菌除菌の保険適応が拡大され、除菌が行われれるようになったことで、胃がんになる人(罹患率)は年々減っています。

胃がん治療において、外科医の技術も重要ですが、その予防法が発見されたことで世の中が変わったことを実感しました。

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カフェ
同様に予防可能ながんとして、肝臓がん子宮頸がんがあります。

肝臓がんはB型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスが原因なので、抗ウイルス療法やB型肝炎の予防接種で予防することができます(C型肝炎の予防接種はありません)。肝臓がんも年々罹患率が減少しています。

子宮頸がんはヒトパピローマウイルスが原因なので、予防接種をすることで予防することができます。残念ながら日本ではまだ予防接種が普及していないため、子宮頸がんの罹患率は減っていません。
» 子宮頸がんとHPVワクチン(厚生労働省)

2位:腹腔鏡下手術が普及し、低侵襲手術ができるようになったこと

1985年に腹腔鏡下手術が初めて行われました。1992年に腹腔鏡による胆嚢摘出術が初めて保険適応となり、その後も適応となる手術が増えています。

以前はそんな面倒なことをしなくても、開腹手術で治るから良いのではないかと思われていた時期もありました。今では、開腹手術が激減し、腹部の多くの手術が腹腔鏡で行われるようになりました。

更に、ここ数年でロボット手術が広がりつつあります。新しい技術が導入されることで、今までの技術にも変化が生じます。これからの発展が楽しみです。

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手術室

1位:mRNAワクチンが実用化されたこと

mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンがコロナウイルスのワクチンとして実用化されたことは、大きな驚きでした。時代が早送りされた気がしました。

2021年にファイザー社や武田/モデルナ社のmRNAワクチンが日本でも接種できるようになりました。

DNAの遺伝情報の一部をコピーしたものが、mRNAです。mRNAは設計図に相当し、mRNAからタンパク質が作られます。

この仕組みを使ったのが、mRNAワクチンです。mRNAワクチンを注射することで、ウイルスのタンパク質の一部を体内で作り出し、それに対する抗体が作られることで、ウイルスに対する免疫を獲得できます。

これまでは感染力を失わせたウイルスなどをワクチンとして使っていましたが、mRNAワクチンの登場により、それを体内で作れるようになったことは画期的であり、本当に驚きました。

まとめ:mRNAワクチンが実用化されたことには驚きました。

・ ピロリ菌を除菌することで胃がんが減ったことには驚きました。
・ 腹腔鏡下手術が普及し、低侵襲手術ができるようになったことには驚きました。

 

外科医 松下
「外科医として最近驚いていることベスト3を発表しました。時代の変化は予想できないものですね。」