日帰り手術研究所

日帰りヘルニア外科研究所

腹腔鏡で鼠径ヘルニアの日帰り手術!

このブログは?

ヘルニア外科医松下公治です。これまで専門として行ってきた腹腔鏡による鼠径(そけい)ヘルニアの日帰り手術の情報を発信しています。2016年に開設し運営している、個人のブログです。

鼠径ヘルニア(脱腸)の腹腔鏡下手術が日帰りでできますか?

はい、できます。日帰り手術は、日常生活を続けたまま手術が受けられることが大きなメリットで、費用対効果に優れていることもあり欧米では積極的に行われています。

鼠径ヘルニアの日帰り手術の割合は、欧米各国が20-92%に対して、日本は1.3%に過ぎず、平均在院日数は4.8日です。患者さんのニーズや、医療の効率化から日帰り手術の有用性が注目されています。

東京外科クリニックでは、2,700件以上の腹腔鏡による日帰り手術を行っており、そのノウハウを蓄積してきました(論文)。しかし、日本ではまだまだ普及しているとは言えないのが現状です。

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東京外科で手術

そもそも鼠径ヘルニア(脱腸)とはどんな病気ですか?

鼠径ヘルニアとは、足のつけ根(鼠径部)のお腹の壁が弱くなり、そこから腸がぽっこり出てくる病気です。立つと鼠径部が膨らみ、横になると戻ります。俗に脱腸とも言います。

よくある病気で、生涯発症率は男性が27%、女性が3%です。国内では毎年15万人以上、世界では毎年約2,000万人が手術を受けています。

鼠径ヘルニア(脱腸)は手術しないといけませんか?

成人の鼠径ヘルニアは、自然に治りませんので、まずはヘルニア外来に受診しましょう。絶対に手術しなければいけない病気ではありませんが、手術することの利点・欠点手術しないことの利点・欠点があるので、病状に応じてよく相談する必要があります。

鼠径ヘルニアの治療法は手術のみで、メッシュを使って穴を塞ぎます。

腹腔鏡下手術(TAPP法とTEP法)鼠径部切開法(リヒテンシュタイン法)が世界的な標準手術です。そのため、腹腔鏡下手術(TAPP法)と鼠径部切開法(リヒテンシュタイン法)を病状に合わせて選択しています。基本的には、傷が5mmと小さく、術後の痛みが少なく、社会復帰が早いTAPP法を第一選択としています。

腹腔鏡下手術は傷が小さく、痛みが少なく、社会復帰が早いため、日帰り手術との組み合わせは理想的です。ただし、病状によっては、安全性を確保するために、入院をお勧めすることもあります。

どのような病気の日帰り手術を行っていますか?

鼠径ヘルニアで積み重ねてきた経験を更に発展させ、現在では虫垂炎、胆石、胆嚢ポリープ、大腿ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニア、臍ヘルニアに対して、腹腔鏡による日帰り手術を行っています。

虫垂炎(盲腸)も腹腔鏡下手術が日帰りでできますか?

はい、できます。ただし、痛みが続いている急性期には日帰り手術を行っておらず、入院が必要です。待機的手術に限定して、日帰り手術を行っています。

急性虫垂炎は抗菌薬で90%散らすことができるようになったため、急性期に手術をしないことも増えています。しかし、手術をしないと虫垂が残るので、再発のリスク(治療後5年以内に約40%)腫瘍のリスク(約1%)が残ります。

次回再発した時に手術することが多いものの、いつ再発するかを予想できません。若い人に多い病気なので、大切なイベントのタイミングで発症するリスクがあります。また、40歳以上では腫瘍のリスクが高くなるので、大腸内視鏡検査とCT検査をお勧めしています。約1%と頻度は低いので、それほど心配する必要はありませんが、もし腫瘍であった場合は命に関わる可能性もあるので、注意が必要です。

待機的手術とは、急性虫垂炎を抗菌薬で散らし、後日予定手術として虫垂を切除することです。一旦炎症が治まってしまうと、虫垂の腫れは軽くなり、手術は短時間で終わり、体の負担も少ないため、腹腔鏡による日帰り手術が可能です。

 

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