このブログは、外科医と経営者、二つの立場で下してきた判断を振り返る場所である。
題名に込めたこと
「外科医と経営者としての判断」という題名には、二つの意味を込めた。
一つは、私が外科医であり、経営者でもあるということ。
鼠径ヘルニアの日帰り手術を専門とする外科医として手術を続けながら、
クリニックを経営する医療法人の理事長を務めている。
もう一つは、その両方の仕事の核心が、判断にあるということだ。
手術も経営も、突き詰めれば判断の連続である。
手術室では、目の前の患者さんにとっての最善を判断する。
経営の場では、人と組織が続いていくための選択を判断する。
二つの判断は、ときに同じ方向を向く。
そして、ときにぶつかる。
一人の患者さんに、もっと時間をかけたい外科医の自分がいる。
限られた時間と人で、クリニックを回し続けなければならない経営者の自分がいる。
どちらも正しいまま、ぶつかることがある。
その間に立ち続けることが、両方を担う者の仕事だと考えている。
なぜ書くのか
判断は、言葉にしなければ残らない。
手術でも経営でも、判断はその場で下され、すぐに次の判断が来る。
振り返らなければ、なぜそう決めたのかは、やがて自分でも分からなくなる。
言葉にすると、判断の曖昧な部分が見えてくる。
見えれば、次の判断を少しだけ良くできる。
書くことは、一度下した判断を、もう一度下し直すことに近い。
その場では見えなかった迷いや、選ばなかった道が、書いているうちに浮かび上がってくる。
外科医が経営者になる過程で、何に迷い、何を手放してきたのか。
その途中の記録は、あまり残されていないように思う。
だから、書いておくことにした。
三つのカテゴリ
記事は、三つのカテゴリに分けている。
日帰り手術では、入院が当たり前だった手術を日帰りで行うと決めてから考えてきたことを書いている。
経営では、開業し、理事長になってから向き合ってきた、数字、組織、チーム、そして続けることについて書いている。
思考では、医師としての姿勢や、経営の視点を自分自身に向けたことなど、判断の土台にある考え方を書いている。
日帰り手術にも経営にも限らない、医師としての判断の土台にある考え方を書いている。
なお、病気や手術についての医学的な解説は、このブログでは扱っていない。
考えは、変わっていく
ここに書いているのは、書いた時点での考えだ。
経験を重ねれば、考えは変わる。
かつて正しいと思っていたことを、あとから問い直すこともある。
ある時点で最善だと思った判断も、時間がたてば違って見える。
それは、以前の判断が間違っていたからではない。
見えるものが、増えたからだと思う。
ここに書くのは、答えではない。
いまも考え続けている、その途中である。